奈良の社会保険労務士『もりかわ社労士事務所』就業規則作成・変更、是正勧告対応、パート・高齢者雇用 奈良の社会保険労務士「もりかわ社労士事務所」 〜トピックス〜
派遣先の使用者責任認定で実質的に偽装請負を認定 
請負会社の指示で働いていた男性が製缶工場で転落死したのは安全対策の不備が原因として、遺族が製缶会社と請負会社に賠償金を求めた訴訟の判決で、東京地裁は、「製缶会社に実質的な使用従属関係があった」と認め、二社に約5100万円の賠償を命じた。(2/14日経新聞より引用)

本来の請負契約に基づく業務で労働者災害が発生した場合は、その使用者責任(安全配慮義務)は請負会社のみが負います。請負会社の指揮命令の下、請負会社の機材や施設で業務をすることとなるからです。

しかし、昨今騒がれている偽装請負状態の場合は、請負会社の労働者が実質的に派遣労働者のようなかたちで労働していることとなるために、指揮命令をしている部分での使用者責任は請負業務委託元(実質的派遣先)が負わなければならないはずです。

今回の判決は委託元会社の使用者責任を認めたため、結果的にその労働形態が派遣労働(つまり偽装請負)であったことを認定したことになるのだと思います。

今後の偽装請負の認定について、大きな意味をもつ判決になるのかもしれません。
マクドナルド店長 勝訴
マクドナルドの店長が未払いの残業代を支払うよう訴えていた裁判で、店長側が勝訴しました。

労働基準法では、労使協定を結んだ場合は原則週40時間を超える労働をさせることができ、その時間外労働分に対しては割増して賃金を支払うよう義務付けています。

ところが、労働基準法41条では、以下のような者はそのような割増賃金を支払う必要はない、と規定しています。

その者とは、「監督若しくは管理の地位にある者」です。

要は、マクドナルド側は、店舗の店長はその「管理監督者」にあたるから残業代は不要だと主張し、店長側は店舗内のわずかな権限しか与えられておらず、しかも残業代を補うほどの特別な手当ももらっていないから、店長は「管理監督者」にあたらず、過去の未払い残業代を支払え、と訴えていたわけです。

今回の判決では、管理監督者を「経営者と一体的立場で労働時間の枠を超えてもやむを得ない重要な権限を持ち、賃金が優遇されている者」と判断しました。

そして、店長にそのような権限はなく、賃金面でも優遇されていない、ということで店長側の勝訴となったわけです。

先日も紳士服販売のコナカで同様の争いがあり、こちらの方はコナカが解決金を支払うことで和解したようです。

マクドナルドは控訴する方針だそうです。

今までの人件費体系が根本的に変わることになるので、争う理由もわからなくはないですが、マクドナルドの店長の劣悪な労働条件は過去にもよく指摘されていました。

最近業績が上がってきているようですが、それがこのような一部の労働者の犠牲の上に成り立っているものであれば、本末転倒です。

これは外食や量販店チェーンだけの問題ではなく、一般企業でも同様に考えていかなくてはならない問題だと思います。

マンション住み込み管理人の残業代 最高裁が一部認める
最高裁が19日にマンション住み込み管理人の時間外労働に関する判断を示しました。所定労働時間は9:00〜18:00とされていたものの、実際は朝7:00の管理人室の点灯と22:00の消灯が義務付けられていて、住民対応もしていたため、早朝および深夜の時間外労働を認めるよう訴えていたものです。また、住み込みでの労働という特殊性ゆえに、勤務時間中の犬の散歩や通院に関しても労働時間に含めるよう合わせて訴えていたようです。高裁判決では、早朝深夜の時間外労働を認めた上で、住み込み業務は日常生活と一体化しているため、通院や犬の散歩も長時間でなければ労働時間であると認めましたが、今回の上告審では通院や犬の散歩の部分は私的行為であり労働時間とは認められませんでした。
基本的に会社の指揮命令下にあれば労働時間とする、という従来の最高裁判例を踏襲する判断であり、マンション管理会社や同様の業務に従事している労働者に影響を与えそうな判決と言えそうです。
パワハラで初の労災認定
男性営業マンが自殺したのは上司の暴言などパワーハラスメントによるうつ病が原因だとして、男性の妻が静岡労働基準監督署に労災認定するよう求めた訴訟の判決で、東京地裁の渡辺弘裁判長は15日、暴言と男性のうつ病発症や自殺との因果関係を認め、労災の不支給処分を取り消しました。パワハラによる自殺に労災を認めた判決は初めてです。(10/16日経新聞より引用)

セクハラほど報道されないので目立ちませんが、日本の企業ではこのパワハラで苦しんでいる人も多いようです。今回の判決の認定内容をみても、「存在が目障り」「お願いだから消えてくれ」など、人を人とも思わないあまりにひどい暴言の連続で、苦しんだ末の自殺だったようです。この判決後、裁判に至る前の行政審判制度でパワハラでの労災適用が認められました。労働行政の見直しにつながることを期待します。
学生障害者無年金訴訟 原告5人の敗訴確定
学生時代に重い障害を負った元学生5人が、当時任意加入だった国民年金の未加入を理由に障害基礎年金を支給しないのは違憲だとして、国に不支給処分取り消しと損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷は28日、国の責任を認めず、元学生側の上告を棄却しました。元学生側の敗訴が確定しました。
原告側は「学生の国民年金加入を任意とする制度を国が放置したため、学生時代に事故に遭い、無年金になった障害者が不利益を受けた」などと主張。国には不作為の責任があると訴えていました。

(日経新聞 9/29)
障害年金不支給 社保庁側が敗訴 判断見直し迫る内容
両方の股関節に人工関節を入れた岡山県の主婦が、国民年金障害基礎年金の不支給処分を不服として処分取り消しを求めた訴訟で、東京地裁(定塚誠裁判長)は31日、処分を取り消す判決を言い渡しました。支給基準を画一的にとらえて支給しなかった社会保険庁に対し、生活実態に見合う判断を迫る内容で、同種のケースにも影響する可能性があります。
 判決によると、主婦は両変形性股関節症と診断され、03年4月までに両方の股関節に人工関節を入れる手術を受けました。
 足に人工関節を入れた人の場合、片足の三つの関節のうち二つ以上に障害があると年約80万円の年金を受けられます。しかし、主婦の場合は現在も補助用具なしで座ったり階段の上り下りをしたりすることができない状態にもかかわらず、片足に1カ所だったため、支給の対象となりませんでした。
 判決は片足、両足といった基準を画一的にとらえず、「立ち上がる」「階段を上る」などの日常動作の不自由さで見て、主婦の障害を「両足機能に相当程度の障害を残すもの」と判断。不支給処分を取り消しました。
 社保庁は「内容を詳細に検討して控訴するか決めたい」としています。

asahi.com  9/1
TBC個人情報流出 二審も約3万円支払命令
エステティックサロン、TBCHPに入力した約5万人分の個人情報が流出したとして、被害を受けた男女14人が同社に損害賠償を求めた訴訟の訴訟新判決で、東京高裁は28日、1人あたり35千円から22千円を支払うよう命じた一審・東京地裁判決を支持し、双方の控訴を棄却する判決を言い渡しました。

1人あたり35千円の賠償金は、個人情報の流出をめぐる判決では過去最高額です。


(PSRネットワーク 8/29)
請負工事の大工の労災支給認めず
628日、最高裁第一小法廷で、建設会社の請負工事中けがをしたいわゆる「一人親方」の大工の労災を不支給とした労働基準監督署長の処分について争われた訴訟の上告審判決で、「仕事を請け負い、工事の完成に対して報酬を得る大工は労災保険法上の労働者ではない」とし、大工側の上告を棄却しました。